自々 jiji
ずっと表現する方法を探していました。
今はそれが、文章ではないかと感じています。
小説と、よばれるものなのだと、感じています。
こどもの頃から紙にかかれた絵や文字が好きでした。
絵も描きました。写真も撮りました。映像も撮りました。
けれど、表現するメディアとしてどこか、気まずさを覚えていました。
行き詰まりを感じていたとき、部屋を見回すと、本棚に雑然と並べられていたかれらの背表紙、文字、文章がすきまにそっと忍び込んできました。
どんなときでも、いつも空気のように隣にあった存在が文章でした。
思い返せば私はいつも、物語を形にしようと奮闘していたような。
そんな経緯です。
2018.4.19 自々
短編集
ぼくはしらない
2018.4.20発行
74ページ
ブックデザイン MiMi
猫と人にまつわる物語
・ぼくはしらない
職場に迷いこんできた一匹の白猫。飼い主を捜す女がたどり着いた場所とは···。
・ユウゴウ
妻は今日も「まあちゃん」を溺愛している。夫は今朝も魚を食べる。消えない傷とともに生きるために、食べること。
青より来たるもの
エッセイ
2018.6.3発行
16ページ
ある昼下がり、気まぐれに読んだ大伯父の随筆。花を巡る彼の日々に引き込まれるうち、気づけば私は「私」に出会う。
八月の林檎
短編
2018.6.3発行
16ページ
おもいでとくっついてはなれない、そんなたべものはありますか?
すこし怖くてすこし悲しい、不思議なお話。
きみにたべられた日
短編
2018.7.8発行
32ページ
第二ボタンは植物の種。
芽吹いたのは人形草。
クローゼットの奥であなたを育てる日々。
食物連鎖
短編集
2018.11.25発行
「きみにたべられた日」
「八月の林檎」
「ユウゴウ」
「泉」
今までに刊行した短編三編に、新作の「泉」を加えた短編集
食べることは連鎖する。
食べて食べられてつながる先に佇むのはこれから語られようとする物語。